高田純次の文庫本『適当経典』
このあいだ高田純次さんの『適当経典』っていう文庫本を購入しましてね、さっそく読んでみたのですが、高田節が満載でとても良かったです。
カバンの中に入れといて、電車の中でちょっと一息つくのに丁度いいんじゃないでしょうか。真面目な方とか完璧主義の人なんかも、肩の力が抜けていいと思いますw
たとえば、
テストでいい点を取る方法を教えてください。(神奈川県高校一年生 男)
に対して、
あ~、それは、それぞれの問題に正解を出すことだね。正解っていうのは必ず参考書にも出てるから。
とか、
給食で嫌いなものが出たときはどうすればいいですか?(小学五年生 男)
に対して、
君のような子のためにビニール袋は発明されたんじゃない。給食で嫌いなものが出たら、友達にわかんないように、そっとビニール袋に入れて捨てちゃうの。
とか、
中二になる娘の担任に恋してしまいました。この先生は国語を担当していて、どこか文学青年といった感じ。もうこの気持ちを抑えることができません。一回でいいからエッチしたいのです。(40歳 主婦)
に対して、
するべきじゃないの~。そしたら娘もひいきにしてくれるだろうし。絶対にやるべきだね。一回ならおやじもわかんないだろうから。
とか、
いい歳してまだ童貞です。僕は一生童貞なのでしょうか?(29歳 自営業)
に対して、
うん、一生童貞だと思うよ。そういうのもアリだよね。逆に、童貞を続けてほしいよね!その君の童貞パワーを仕事と国のために使ってほしいよね。
とか(笑)
もう超適当です。
でも「適当」って、なんとなく「いいかげん」とか、よくないイメージで使われがちですけど、「うまくあてはめる」とか「適材適所」って意味なので、本来は結構いい意味の言葉なんですよね。
こんな感じで全体的には、というかほとんど適当なことばっかり書いてあるのですが、ときおり高田先生のポエムがはさんでありまして、これが何気にほっこりするというか、ちょっとジーンとくるようなところがありまして、なかなかいいスパイスになっております。
「秀和レジデンス」
リビングで笑い声が響いてた。
娘が笑えば、女房が笑う
女房が笑えば、娘が笑う
一番幸せなときだった
今は人手に渡ってる。
初めて買った3450万円のマンション
もしも一度だけ、
願いを叶えてくれるなら
一日でもいい。
あの頃に戻りたい……。
高田純次
高田 純次(たかだ じゅんじ)
1947年東京都調布市生まれ。1971年に「自由劇場」研究生となるも1年で退団し、イッセー尾形らと劇団(うでくらべ)を結成。4年間のサラリーマン生活(ジュエリーデザイン)を経て1977年、劇団「東京乾電池」参加。1989年に独立(株式会社テイクワン・オフィス)。以来、テレビ、ラジオ、雑誌等で幅広く活躍。近著に『適当手帳』『適当論』、DVD『高田純次 適当伝説~序章・勝手にやっちゃいました~』などがある。